気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
ピロン。
スマホが鳴った。
私はだらりと伸ばしていた腕を動かして画面を見る。
メッセージの相手は、茉尋。
【暇?】
「失礼だなぁ」
暇だけど。
私は返信を打つ。
【暇】
すると数秒で既読がついた。
【やっぱり】
【喧嘩売ってる?】
【別に】
【で、何】
少し間が空く。
【夏休み入った】
そういえば。
中学校ももう夏休みか。
【おめでとう】
【だから東京行きたい】
私は思わず起き上がった。
【東京?】
【うん】
【桜ノ木ハウス見たい】
【前言ってたね】
【行っちゃだめ?】
メッセージを見ながら少し考える。
茉尋は前からシェアハウスに興味津々だった。
帰省した時も、
「どんな家なの?」
「想くんって本当に怖いの?」
「希遥さんって本当にプリン忘れるの?」
なんて聞いてきていた。
私は少し笑う。
【みんなに聞いてみる】
【やった】
返信が早い。
絶対もう来る気でいる。
「茉桜ちゃん何笑ってんの」
その時。
後ろから希遥さんの声が聞こえた。
「希遥さん!おかえりなさい」
「今日1人だったの?」
「はい…暇してました…」
「なんだかんだみんな家あけてるもんね」
「あの、希遥さん」
「んー?」
「相談があるんですけど」