気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「相談?」
私はスマホを見せた。
そこには茉尋とのやり取り。
希遥さんはメッセージを読むなり、
「あー!」
と声を上げた。
「弟くんだ!」
「夏休み入ったから東京来たいらしくて」
「いいじゃん!」
即答だった。
「まだみんなに聞いてないですけど」
「たぶん大丈夫でしょ」
希遥さんはあっさり言う。
「柊弥は絶対歓迎するし」
それは分かる。
柊弥さんは昔から茉尋のことを知っているし、茉尋も柊弥さんを慕っていた。
「問題は…想?」
「……かもしれません」
私が苦笑すると、希遥さんも笑った。
「でも想も別に嫌がらないと思うよ?」
「そうですか?」
「たぶんね」
たぶん、という言葉に少しだけ不安が残る。
でも確かに、なんだかんだ面倒見のいい想くんだから、大丈夫な気もする。
すると、ガチャ。
玄関の扉が開く音がした。
「あ」
「噂をすれば」
希遥さんがそう言う。
数秒後。
リビングの扉が開いた。
「ただいま」
帰ってきたのは想くんだった。
暑かったのだろう。
少し乱れた前髪をかき上げながら、冷蔵庫へ向かう。
「ねぇ想くん」
「あ?」
「相談があるのですが」
「金なら貸さねーぞ」
「違う!」
「じゃあ何」