気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
想くんがアイスを冷凍庫へしまい終えると、希遥さんが手をぱんと叩いた。
「よし!弟くん、家探検しよ!」
「え?」
「せっかく来たんだもん!案内しなきゃ!」
茉尋はぱっと表情を明るくした。
「見たいです!」
「じゃあ私が案内するね」
「お願いします」
まずはリビング。
大きなダイニングテーブルに、四人掛けのソファ。
テレビの前にはローテーブル。
窓の向こうには、テラスが見える。
「ここでみんなでご飯食べたり、テレビ見たりするの」
「へぇ……」
茉尋は何度も部屋を見回している。
「いいなぁ」
その一言に、少しだけ嬉しくなった。
「次はこっち」
廊下を進み、お風呂や洗面所を案内する。
「洗濯機ここなんだ」
「うん」
「想くんが洗濯にすごく詳しくてね」
「姉ちゃんができなさすぎるだけ」
後ろから聞こえてきた声に、思わず振り返る。
「聞こえてたの!?」
「聞こえる」
「盗み聞き!」
「声がでかい」
「ひどい」
「事実」
茉尋が思わず吹き出した。
「本当にこんな感じなんだ」
「だから言ったでしょ」