気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「それじゃあ、想が買ってきてくれたアイスでも食べる?」
「柊弥ナイス!そうしよー!」
「誰より希遥が楽しみにしてるよね」
「さすが柊弥、私のことよく分かってる」
年上コンビの息の合ったやり取りに思わず笑う。
私たちはみんなで冷凍庫の前へ集まった。
中には、想くんが買ってきてくれたアイスがぎっしり並んでいる。
「茉尋、先に選んでいいよ」
柊弥さんがそう言うと、茉尋は少し遠慮しながら冷凍庫を覗き込んだ。
「えーっと……じゃあ、チョコレートにします」
「じゃあ私はバニラ!」
希遥さんが迷いなく手を伸ばす。
その瞬間。
「俺もバニラ」
想くんの声が重なった。
「あれ?想って甘いもの嫌いじゃなかった?」
「全部が嫌いなわけじゃないって前言っただろ」
「えー、でも希少じゃん、想が甘いもの食べるの」
「知らん」
案の定、始まった。
この2人の言い合いは、もう桜ノ木ハウスの日常の一部だ。
私は苦笑しながら茉尋を見る。
「茉尋、それ持って行っていいよ」
「姉ちゃんは?」
「私はねぇ……」
「ストロベリーじゃないの?」
「え?」