気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
西澤?
西澤くん?
想くん?
なんて呼べばいいんだろう。
そんなことを考えながら、同居人のみんなとピザやスナックを囲んで早1時間。
西澤?
想くん?
と会話は1度もない。
したとしても、柊弥さんか希遥さんが間に入って話をしている感じ。
「茉桜ちゃんお腹いっぱいなった?」
「はい!」
「可愛いお腹ね〜」
「希遥は大食いだから足りないんだろ?」
「ちょっと、先輩のレディーに失礼じゃない?」
「先輩?レディー?何言ってんの?」
「想さ、もうちょっと可愛げある方が可愛がられるよ」
希遥さんと想くんのこんなやり取りは日常茶飯事だそう。
でも、仲がいいんだって。
喧嘩するほど仲がいい、みたいなものなのかな。
「そういや柊弥、この“新しい人”にうちのルール言ったの?」
「新しい人、じゃなくて茉桜、ね」
「ごめんね、茉桜ちゃん。この人感じ悪くて」
「ははは……」
「それじゃあ気を取り直して!茉桜。うちでのルールを発表します!」
柊弥さんは、コルクボードを持って、声高らかに『桜ノ木ハウスルール』を読み始めた。