気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -


今日はやっぱり暑かった。

室内にいるのに、なんとなく空気が重い。

冷房はついているはずなのに、じんわりと汗ばむような暑さだった。

そのせいか、日中は希遥さんと茉尋が、冷凍庫に入っていたアイスを3個ずつ食べていた。

「暑いから仕方ない」が2人の言い分らしい。


そして夜。

夕飯を食べ終え、食器を片付けていると、


「ねー、アイスもう1個食べてもいい?」


茉尋が冷凍庫の前で振り返る。


「さすがに食べすぎじゃない?」

「だって父さんたちいたら1日1個なんだもん」


両親のいない生活を、これでもかというくらい満喫している。


「チクってあげよっか。宿題が全然進んでないことも一緒に」

「姉ちゃんめんどくせー」

「お父さんたちがいないからって調子に乗りすぎなの」


口を尖らせる茉尋を見て、みんなが笑う。

茉尋が桜ノ木ハウスに来て、今日で3日。

最初は少し緊張していたはずなのに、今では私以外の3人ともすっかり打ち解けていた。

まるで、ずっと前からこの家で暮らしていたみたいに。


「ねぇ茉尋くん」


希遥さんがにやりと笑う。


「秘密教えてあげよっか」

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