気付けば、隣にいた - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -
「なんですか?」
「希遥さん、何企んでるんです?」
嫌な予感しかしない。
「お姉ちゃんね」
希遥さんはこっそり口元に手を当てる。
「アイス、2個食べてる日の方が多いよ」
「え!」
茉尋が私を見る。
「何それ、姉ちゃんずる!」
「いいの!大学生は!」
「意味分かんない!」
「希遥も同じだろ」
想くんが呆れたように言う。
「私は大学4年生だから!」
「何も変わらねぇ」
「変わるもん!」
「どこが」
「……気持ち?」
「気持ちかよ」
柊弥さんが吹き出す。
リビングは今日も笑い声でいっぱいだった。
その時。
遠くで、ゴロゴロ、と低い音が聞こえた。
「あれ?」
私は窓の外を見る。
さっきまで晴れていた空に、いつの間にか黒い雲が広がり始めていた。