気付けば、隣にいた  - 無愛想な同居人は、不器用に優しい。 -

東京日和

8月7日。


朝からよく晴れていた。

数日前、停電していたのが嘘みたいに、空には大きな入道雲が浮かんでいる。

窓を開けると、蝉の鳴き声が一気に部屋へ流れ込んできた。

今日も暑くなりそうだ。


それでも、昨日までとは少しだけ違う気持ちで朝を迎えた。

明日。

茉尋は横浜へ帰る。

たった数日。

そう思っていたのに、一緒に過ごしてみるとあっという間だった。

希遥さんと笑って。

柊弥さんに大学を案内してもらって。

想くんと話して。

気付けば、この家にもすっかり馴染んでいた。

だからこそ、少しだけ寂しい。


リビングへ下りると、もう茉尋が起きていた。

珍しくテレビではなく、窓の外をぼんやり眺めている。


「おはよう」

「おはよう」


振り返った茉尋は、小さくあくびをした。


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