パーフェクト・ネイル ~憧れの上司に狙われている、かもしれません~
 色は星の数ほど多種多様で、そこにラメやパール、ストーンやパーツなどを組み合わせれば、種類は無限と言ってもいい。また、スクエア、ラウンド、オーバル、バレリーナ、アーモンド……などなど、形にも選択肢がある。

「いや、別にネイルに詳しいわけじゃないんだ」

 爪フェチというからにはさぞこだわりが強く、なんなら種類や色にも詳しいのでは……? と考える椛だったが、そういうことではないらしい。

「けど、気がつくと目がいく。色やデザインがその人のイメージに合ってたら、自分の魅力をわかってるんだな、と思う。形が綺麗に整えられてたら、相手に与える印象に気を配ってるんだな、と思う」

 遠坂の説明に、ふむふむと頷く。

 椛や遠坂が勤める会社では、アクセサリーを含めて服装は完全に自由だ。部署や職種によっては華美な衣服がNGだったり、スーツを基本とする場合もあるが、ファッションには制限がない。もちろんネイルも自由だ。

 そっと視線を落として自身の指先を確認する。

 椛の今日のネイルは、ピンクベージュにゴールドのミラーラインを引いた、ごくシンプルなデザインだ。サロンでプロのネイリストに整えてもらうこともあるが、このネイルは自分で施したものである。
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