私のかみさま(改訂版)
変わらない、変えられない毎日が
自分が、嫌で嫌で仕方なかった。


考えることにも疲れた。


家族に、自分に、自分の人生に対して
無責任だと思いながらも
もう、全部投げ出して、楽になりたかった。



『ほら、飛び降りてみなよ
死ねば楽になるよ』



そんな甘い幻聴が聞こえる。



『辛いんでしょう?苦しいんでしょう?
この世界から、逃げたいんでしょう?
さぁ、飛び降りよう』



飛び降りたら楽になる?



『楽になれるよ』



苦しまないで済む?辛くならないで済む?



『痛みも苦しみもなにもかも
ほんの一瞬、我慢すればなくなるよ』



……。


………ほんの一瞬、我慢すれば…



「…」



抱える悩みへの解決策が
もう、それしか浮かばない。

死ぬこと以外に、救いを見いだせない。


今は、死ぬ恐怖よりも、生きる恐怖が勝っていた。


立ち上がって
救いへの一歩を踏み出す。


靴先に当たった小石が
かつんかつんと小さな音を立てながら
深い闇の中に落ちていく。



……怖い。



怖いけど、ほんの少し我慢すれば…



解放させる。



この痛みや、苦しみから。




ゆっくり、ゆっくり歩を進める。




後、一歩…





「…」





―――前に、進んだ。
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