私のかみさま(改訂版)
――……
「…」
ひとしきり泣いた後
夢の中に現実逃避していた私。
再び目覚めた時
部屋の中は真っ暗で
壁にかけてある時計の音が
はっきり聞こえるくらい静かだった。
カチカチカチ…と
規則正しく鳴り響く音に
しばらく、ぼんやりと耳を傾けて
それから
布団から這い出て
床に落ちていたパーカーを手に取り
ふらふらと、おぼつかない足取りで部屋を出る。
すっかり寝静まった家の中で
聞こえるのは自分の足音と、呼吸音だけ。
就寝中であろう両親を起こさないよう
足音を忍ばせて、階段をおりて
同じように物音を立てないように
注意しながら、玄関の扉を開けた。
「…」
久しぶりの外の世界。
鼻先をかすめる匂いも、肌に触れる空気も
見上げた先に広がる夜空も、すっかり夏のものだ。
暗闇の中、淡く光る街灯を頼りに歩き出す。
ただ、ぼんやりと
何も考えず、歩き続けて
やがて
小さな頃
よく遊びに来ていた山の麓(ふもと)にたどり着いた。
あてどなく歩いていた私は
懐かしさを感じながら、そこに足を踏み入れた。
ここから先、街灯はない
けど、月明かりで十分歩ける。
草木が生い茂った細い山道を
無心で歩き続けること、およそ数十分。
山頂にたどり着く。
少し開けた空間には、古びた小さな社があって
その周辺から、自分が住んでいる町の景色が一望できた。
「…」
ひとしきり泣いた後
夢の中に現実逃避していた私。
再び目覚めた時
部屋の中は真っ暗で
壁にかけてある時計の音が
はっきり聞こえるくらい静かだった。
カチカチカチ…と
規則正しく鳴り響く音に
しばらく、ぼんやりと耳を傾けて
それから
布団から這い出て
床に落ちていたパーカーを手に取り
ふらふらと、おぼつかない足取りで部屋を出る。
すっかり寝静まった家の中で
聞こえるのは自分の足音と、呼吸音だけ。
就寝中であろう両親を起こさないよう
足音を忍ばせて、階段をおりて
同じように物音を立てないように
注意しながら、玄関の扉を開けた。
「…」
久しぶりの外の世界。
鼻先をかすめる匂いも、肌に触れる空気も
見上げた先に広がる夜空も、すっかり夏のものだ。
暗闇の中、淡く光る街灯を頼りに歩き出す。
ただ、ぼんやりと
何も考えず、歩き続けて
やがて
小さな頃
よく遊びに来ていた山の麓(ふもと)にたどり着いた。
あてどなく歩いていた私は
懐かしさを感じながら、そこに足を踏み入れた。
ここから先、街灯はない
けど、月明かりで十分歩ける。
草木が生い茂った細い山道を
無心で歩き続けること、およそ数十分。
山頂にたどり着く。
少し開けた空間には、古びた小さな社があって
その周辺から、自分が住んでいる町の景色が一望できた。