尊い推し兄弟に愛されてます!?
玲央くんは少しだけ笑った。

「思わせとけば?」


私は言葉を失った。

玲央くんは平然としているけど……

その言葉だけが、妙に胸に残った。

こんなの言われたら……

勘違いしちゃうじゃん。

世の中の、全女が期待しちゃうじゃーん!

なのに……

玲央くんは何も知らない顔で夜空を見上げている。

「……別に、お前とだったら嫌じゃねーし」

「……え?」

今、なんて?

「いや、なんでもねー」

すっと立って、浴衣を直すと。

「生徒会長なんだから見つかんなよー」

そう言って行ってしまった。

私は固まって動けず。

だって……

『お前とだったら嫌じゃねーし』

って!?

聞き間違いじゃないよね!?

心臓がバクバクして眩暈がしそうだ。

玲央くんはどういうつもりで言ったんだろう。

このキーホルダーだって、私の事を考えてくれたわけで……。

私はふわふわした足取りのまま部屋へ戻った。

手の中には、玲央くんからもらったキーホルダー。

明日になったら、今日の事なんて全部夢だった気がしてしまいそうで。

私はその夜、なかなか眠ることができなかった。


< 111 / 130 >

この作品をシェア

pagetop