尊い推し兄弟に愛されてます!?
――数日後。
俺は大型商業施設の広告撮影のため、朝から撮影現場にいた。
スタッフが慌ただしく動き回る中、控室の鏡の前へ座る。
メイク担当が髪を整えながら何か話していたけど、正直ほとんど頭に入ってこなかった。
考えているのはこの前のことばかりだ。
『俺と付き合って』
勢いで言ったわけじゃない。
フラれてから何度も諦めようとしたけど、昔から一華を想う気持ちは変わらないし、止められなかった。
だから後悔はしていない。
していないけど――。
「……」
ふとため息が漏れる。
あれから学校で目が合っても逸らされる。
やっぱ……無理なのか。
『玲央くんは家族みたいなものだから!』
なんて笑顔で言ってくるくらいだし。
思い出しただけで胃が痛い。
「……はぁ」
返事待ちってこんなにしんどいのかよ。
今さらながら実感する。