尊い推し兄弟に愛されてます!?
「座れよ」
玲央くんの隣へ腰を下ろすと、サァーッと気持ちいい風が吹いた。
遠くからは船の汽笛も聞こえてくる。
屋上なんて初めてだな……。
こんなに景色がいいのに、立ち入り禁止だなんて。
私は少し照れながらお弁当箱を差し出した。
「はいっ約束のお弁当」
「……ほんとに作ってきてくれたんだな」
玲央くんは嬉しそうにゆっくり蓋を開けた。
「……」
固まった。
「えっ」
「どうしたの!?」
「全部作った?」
「う、うん……」
「朝何時起き?」
「五時半くらい……」
「……マジで?」
玲央くんが私を見る。
「だって昨日、一日学校いるって言ってたから……」
「……」
「頑張ってみた」
正直、自信はない。
卵焼きもちょっと焦げちゃったし。
タコさんウインナーも片方足が切れちゃったし。
「ご、ごめんね。もっと練習すれば良かったんだけど──」
「いただきます」
玲央くんは私の話を遮るように卵焼きを口へ運んだ。
私は緊張で固まる。
どうかな。
しょっぱくないかな。
甘すぎたかな。
玲央くんは何度か噛んでから、小さく息を吐いた。
「……うま。」
「え?」
「めちゃくちゃうまい。」
「ほんとに!?」
「うん」
その一言だけで、朝早く起きた眠気なんて全部吹き飛んだ。
「良かったぁ……!」