尊い推し兄弟に愛されてます!?
電車がホームへ入ってくる。

ゴォォォーッという音が大きかったせいで、返事をするタイミングを逃してしまったけれど、今日はちゃんと話さないとなって思った。

車内は満員で、そんなこと話す雰囲気でもなくて。

結局話を切り出せたのは、家の近くまで行ってからのことだった。


「ゆずくん、この前の返事……ちゃんとしたくて」

ゆずくんは黙って頷く。

「そうだろうなって思ってた。ずっとそわそわしてたもんね、いっちゃん」

「……バレてたね」

二人の間に、穏やかな空気が流れる。

でも……これから振らなきゃないなんて。

残酷すぎるよ……。

「私ね」

震える声を抑えながら続けた。

「好きな人がいるの」

「……うん」

「だから、ごめん」

しばらく沈黙が続いた後、ゆずくんは俯いたまま小さく笑った。

「そっか」

その笑顔が切なくて、胸が締め付けられた。

「ごめんね……」

「謝らないで」

ゆずくんは首を横に振り、ゆっくり私を見つめた。

「それって……兄ちゃんだよね?」

「……うん」

もう誤魔化せない。

きっとゆずくんは、ずっと前から気付いている。

「でもさ……兄ちゃんじゃ、いっちゃんを寂しい思いさせることもあると思うよ」

「え……」

「仕事忙しいし、モデルだし。女の人ともいっぱい関わる」

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