尊い推し兄弟に愛されてます!?
「……莉子」
玲央くんの低い声が聞こえる。
莉子ちゃんは俯いたまま、小さく拳を握りしめていた。
「悔しい……」
かすれた声でそう呟く。
「私だってずっと一緒に仕事してきたのに」
「……」
「私だって頑張ってるのに」
その声が少し震える。
「なのに今日……」
「うん」
「玲央、あんな顔したことなかったじゃん……」
私は息を止めた。
「私、一度も見たことなかった」
「……」
「引き出せなかった」
莉子ちゃんが唇を噛む。
「それが悔しい」
ぽろりと涙がこぼれた。
そして莉子ちゃんは、そっと玲央くんの胸へ額を預けた。
私は思わず物陰へ身を隠す。
見ちゃいけない……。
そう思ったのに、目が離せなかった。
玲央くんは驚く様子もなく、ただ静かに莉子ちゃんの背中をぽんぽんと叩く。
優しく、慰めるように。
「莉子は十分すげーよ」
玲央くんが静かに言う。
「でも……」
「今日のは比べるもんじゃない」