尊い推し兄弟に愛されてます!?
あの時……編集長さんが言っていた。
『村瀬さんとのカットが一番良かった』
その言葉を思い出してしまう。
「いっち」
ひまりが心配そうに私を見る。
私は慌てて笑顔を作った。
「ほんとに気にしてないから!」
「絶対気にしてる顔」
「してないってば!」
そう言ったところでチャイムが鳴った。
気にしてないと言ったら嘘になる。
でも……あそこで気を張ってないと、泣きそうになってしまったんだ。
玲央くんのあの表情、本当は私へ向けられていたものだったのに。
今まで感じたことの無い感情が、私の心を埋めていた。
*
この日の五時間目は、修学旅行の班行動を決める日だった。
「どこ行く?」
「SNS映えするからここ行ってみない?」
班ごとに机を寄せて話し合う。
みんなわいわいと楽しい声が飛び交っているのに、私はどこか上の空だった。
玲央くん、今日も来ないんだ。
撮影かな、それとも取材?
もしかして、また莉子ちゃんと一緒だったりするのかな。
そんなことを考えてしまう。