尊い推し兄弟に愛されてます!?

あの時……編集長さんが言っていた。


『村瀬さんとのカットが一番良かった』


その言葉を思い出してしまう。


「いっち」


ひまりが心配そうに私を見る。

私は慌てて笑顔を作った。


「ほんとに気にしてないから!」

「絶対気にしてる顔」

「してないってば!」


そう言ったところでチャイムが鳴った。

気にしてないと言ったら嘘になる。

でも……あそこで気を張ってないと、泣きそうになってしまったんだ。

玲央くんのあの表情、本当は私へ向けられていたものだったのに。

今まで感じたことの無い感情が、私の心を埋めていた。





この日の五時間目は、修学旅行の班行動を決める日だった。


「どこ行く?」

「SNS映えするからここ行ってみない?」


班ごとに机を寄せて話し合う。

みんなわいわいと楽しい声が飛び交っているのに、私はどこか上の空だった。

玲央くん、今日も来ないんだ。

撮影かな、それとも取材?


もしかして、また莉子ちゃんと一緒だったりするのかな。

そんなことを考えてしまう。

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