尊い推し兄弟に愛されてます!?
真面目な顔をして言う佐伯くんのことを、私は目をぱちぱちさせて見ていたかもしれない。
「え?」
「だってあんなに距離近いとかさ……」
佐伯くんが俯きながら、ため息を漏らした。
それを見ていた美月が、密かに笑っていて。
私はどう反応したらいいのか、戸惑った。
そして同時に、胸が少しだけ痛んだ。
前なら、推しと撮影できてラッキーだったな。
それだけだったのに今は違う。
玲央くんのことを考えるだけで、落ち着かなくなる。
話し合いが終わったあと。
私は何気なくスマホを開いた。
おすすめに流れてきたのは、今日発売された雑誌の記事。
コメント欄には。
『玲央くんと莉子ちゃんお似合い!』
『付き合ってても驚かない』
『この二人最高すぎる』
そんな言葉が並んでいた。
胸がちくりと痛む。
私はそっと画面を閉じた。
……見なきゃよかったな。
自分の気持ちに気付いてから、辛い事の方が多い。
〝推し〟として見ていた時は楽しかったのに。
恋ってしんどいんだなぁ……。
思わずため息が漏れた。