尊い推し兄弟に愛されてます!?
六時間目の古典の授業が始まろうとしていた。
先生が背を向け、黒板に書き始める。
私は何気なく窓の外を眺めた。
玲央くんに会いたいような、会いたくないような。
なんだか不思議な気持ち。
そう思った、その時。ガラッ――。
教室の扉が開いた。
「すいません、遅くなりました」
聞き慣れた声に、思わず顔を上げる。
玲央くんだった。
教室が一気にざわつく。
「橘くん来たっ」
「今日は見れないと思ってたから嬉しい……」
「玲央くん、仕事だったの?」
玲央くんはクラスの子に軽く返事をすると、自分の席へ向かった。
そして……。
ふと視線が合った。
「っ」
私は反射的に顔を逸らしてしまった。
心臓がうるさい。
だって無理だよ。
好きだって気づいちゃったんだから。
すると遠くから、玲央くんが少し眉をひそめた気がした。
私はしばらくしてから、教科書越しに玲央くんの方を確認した。
髪形がいつもと違ってセットされているような。
……かっこいいよー。