尊い推し兄弟に愛されてます!?
「俺、お前になんかした?」
その声は少しだけ優しかった。
私はぎゅっと鞄の持ち手を握る。
言えるわけないよ……。
好きになったからです。
だから目が合わせられません。
なんて。
「……玲央くんは何もしてない」
「じゃあ何」
玲央くんが立ち止まる。
私もつられて足を止めた。
夕方の風が優しく顔に当たる。
しばらく沈黙が落ちた。
すると。
「もしかして」
玲央くんがぽつりと言う。
「この前の生徒会室のこと?」
「っ!!」
心臓が止まりそうになった。
それって……私の秘密をバラしそうにしたこと!?
「ち、違う!!」
「違うの?」
「違うから!!」
むしろそれを思い出させないでください!!
玲央くんが少しだけ目を細める。
「じゃあ何なんだよ」
困ったような顔だった。
その表情を見た瞬間。
胸がきゅっと痛くなる。