尊い推し兄弟に愛されてます!?
「わ、悪い!からかいすぎた!」
そんな玲央くんの表情なんて、滅多に見ないから驚いたけど、同時に嬉しくも感じた。
「あはは……」
笑いながら涙を拭く私を見て、玲央くんは戸惑っている。
珍しい……いつも余裕そうなのに。
「馬鹿にしたわけじゃねーよ……」
「うん、わかってる。私こそ急にごめんね」
そう言うと、玲央くんの手がそっと私の方に伸びてきて……。
「……玲央くん?」
その時突然、コンコンと部屋のドアがノックされた。
「二人ともー?」
お母さんの声だった。
その声と同時に、玲央くんが手を引っ込める。
「ココア持ってきたわよー!」
満面の笑みで入ってきたお母さんに、私は思わず吹き出した。
「お母さんタイミング!!」
「えー?邪魔だった?」
「邪魔だった!!」
「正直だな!?」
玲央くんまで笑い出す。
さっきまで泣いていたはずなのに。
気づけば私も笑っていた。
――やっぱり。
玲央くんといると、ずるい。
苦しいのに、楽しいんだもん。
そんな気持ちを抱えたまま、私は温かいココアを受け取った。