尊い推し兄弟に愛されてます!?
予想外の出来事
*
SNS騒動から数日後の放課後。
私は一人で駅前を歩いていた。
美月は委員会、ひまりは部活だったので、今日は珍しく一人で帰る日だ。
ふと前を見ると――。
「あっ……」
見覚えのある後ろ姿が目に入った。
少し離れた場所だけど、そこにいたのは。
「ゆずくん……?」
私服姿のゆずくん。
そしてその隣には、あの日見た女性。
二人は楽しそうに話している。
やっぱりあの人だ……。
胸の奥がざわつく。
本当に大丈夫なのかな。
そんなことを考えていると、二人は駅前のカフェへ入っていった。
私はその場で立ち止まる。
……気になる。
すごく気になる。
でも尾行なんてダメだよね!?
そう思ったのに、気づけば私もカフェの扉を開けていた。
そっと店内を見回す。
いた!
窓際の席にゆずくんと女性。
そして女性の友達らしき人も一緒だった。
三人で楽しそうに話している。
「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ!」
「あっはいっ」
私は少し近くの席に座った。
何やってるんだろう、ほんと。
こんなのストーカーじゃん!
お願いだからバレないで。
しばらくすると。
「ごめん、ちょっとトイレ!」
ゆずくんが立ち上がったので、私は咄嗟にメニューで顔を隠した。
そのまま店の奥へ消えていく。