尊い推し兄弟に愛されてます!?
修学旅行*前半戦
*
修学旅行当日――。
朝六時、まだ少し眠い目をこすりながら、私は大きなキャリーケースを引いて駅へ向かっていた。
本当ならもっと浮かれていたはずなのに。
頭の中は別のことでいっぱいで、旅行準備も捗らなかった。
『俺、本気で一華が好き』
ゆずくんの声が蘇る。
そしてそして……頬っぺたにキス!
あー、だめだ……。
思い出しただけで落ち着かない。
私はぶんぶんと首を振った。
今は修学旅行!
修学旅行を楽しむの!!
そう自分に言い聞かせる。
駅へ着くと、すでにクラスメイトたちが集まっていた。
「いっちー!!」
ひまりが大きく手を振る。
「おはよー!」
「見て見て!お菓子買いすぎた!」
「買いすぎだよ!!」
袋いっぱいのお菓子を見せられ、思わず笑った。
すると美月が呆れた顔をする。
「絶対一日目で食べ切るやつ」
「失礼な!」
「事実」
そんなやり取りをしていると。
「おはよ」
後ろから声がした。
反射的に心臓が跳ねる。
振り向くと、玲央くんだった。
「っ!」