友達のまま
夕日に照らされた2人の影が、地面に長く伸びて、まるで1つの大きな影みたいに重なり合っているのを見つめながら、私は心の中で、自分自身に強く言い聞かせていた。


もし私たちが普通の恋人同士になっていたら、この雨上がりの帰り道だって、もっと生々しい嫉妬や不安に怯えていたかもしれない。


いつか来る終わりの日に怯えながら、相手の顔色を伺うような、そんな退屈な恋になっていたかもしれない。


だけど、私たちは笑顔で「最高の友達」という名の、一番美しい嘘を共有した。


これなら、私たちが世界の果てまで行ったとしても、お互いを失うことは絶対にない。


「なぁ、アミ。明日の昼飯、また購買の焼きそばパン奢ってやろうか?」


「え、マジで!? 翼、急にどうしたの? 嵐のせいで頭バグっちゃった?」


「バカ言え、たまには優しい幼馴染の姿を見せとかねぇと、お前にすぐヘタレ呼ばわりされるからな(笑)」


冗談を言い合いながら、私たちはオレンジ色に染まる通学路を、笑顔のままで歩いていく。


誰よりも深く、激しく、お互いのすべてを独占したいと願っている、その狂おしいほどの秘密を、笑顔の仮面の奥に完璧に隠し持ったままで。
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop