アオハル×フラグ=恋。
蒼は、
少し汚れた封筒をつまみ上げる。


「……なんか書いてある」


「え?」


里穂は蒼の側へ寄る。


封筒をよく見ると、
かすれた文字が見えた。


『恋する男子へ』


「……んー、“恋する男子へ”だってさ」

蒼「はい?」


蒼が変な声を出す。


「いや、ほら。ほんとに書いてあるから」

里穂は封筒を航大へ向ける。


蒼「……まじじゃん」


二人でしばらく封筒を見る。


旧校舎。

謎の封筒。

そして、
“恋する男子へ”。


……めちゃくちゃ怪しい。


「なんだろこれ。見てみようよ」


里穂は少しわくわくしながら、
封筒を開けようと手を伸ばす。


その瞬間。


バシッ。


「ちょっ、なによ!」


蒼が、
里穂の手を軽く叩いた。


蒼は封筒の文字を指差す。


蒼「“恋する男子へ”なんだから、西尾はダメだろ」

「いやまじめか!」


蒼はそのまま、
封筒を制服のポケットへしまう。


「いいじゃん見ようよー!」

蒼「いやいや、もし男子しか見ちゃダメで」

「うん?」

蒼「女子が見たら呪われるやつだったらどうすんの」

「えっ」


蒼は、
わざと低い声を出す。


蒼「女子に振られた男子の怨念とかかもなぁ……」


じわじわ近づいてくる。


「だっ、だよね!?」


里穂は一歩下がる。


「わ、私もそうなんじゃないかと思ってたとこだから!」


両手を合わせる。


「ナムアミダブツナムアミダブツ……」


蒼は吹き出した。


蒼「だろ? うわー怖い怖い」

「やめてってぇ……!」

蒼「これは俺がちゃんと処分しないとな」


ポケットをぽんっと叩く。


「お、お任せします……!」


里穂は苦笑いしながら、
さらにじりっと後ずさった。


その時。


キーンコーンカーンコーン——。


遠くで予鈴が鳴る。


「あっ、やば!」


里穂は一気に現実へ戻る。


「授業始まる! 急いで戻るよ!」

蒼「西尾、足速い?」

「普通!」

「じゃあ競走な」

「はぁ!?」


航大はそう言って、
先に教室を飛び出していく。


「ちょっ、待ちなさいって!!」


この後先生に見つかって怒られたのは言うまでもない、
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