アオハル×フラグ=恋。
   *


菜々子「ふぃー、やっと帰れるぅうー……」


「始業式の日から最後まで授業あるの地獄すぎ……」


里穂は目を細めながら、
ダルそうに自転車を押して歩く。


夕方の校門前。

ぞろぞろと帰っていく生徒たちの声がする。


後ろからは、
愛華と菜々子、好桜もついてきている。


蒼「疲れたな」

「まじそれー。始業式の日くらい午前で終われって感じ」


里穂はぐったりした声を出す。


蒼「だよな」


「って、おい」


里穂は隣を見る。


「なんで平井くんいるの!?」


いつの間にか、
蒼が普通に横を歩いていた。


蒼「いや、帰り道分かんなくて」

「はぁ!?」


里穂は思わず立ち止まる。


蒼「途中まででいいから。方向音痴なんだって」

「うーーーーん……」


里穂はじーっと蒼を見る。


なんか怪しい。

でも、
嘘ついてる顔でもない。


「……はぁ。まぁ、仕方ないかぁ」

好桜「方向音痴って大変なんですねぇ」

菜々子「それでは我々は別行動ということで!」


「おい、二人にしようとすんな!」


里穂が即ツッコむ。


菜々子と好桜は、
すでにノリノリで離脱しようとしていた。


しかし。


愛華「……ちょっと待て」


低い声。


その場の空気が、
一瞬止まる。


菜々子・好桜「ほへ?」


二人が振り返る。


里穂「ちょ、愛華?」


愛華は真顔のまま、
蒼を見る。


愛華「転校生。ちょっとついてきな」


里穂・菜々子・好桜「「「えええぇぇぇぇぇ!?」」」


まさかの呼び出し。


蒼ですら少し驚いていた。


蒼「……俺?」

愛華「すぐ終わるから」


そう言って、
愛華はスタスタ歩き出す。



菜々子「まさかまさかまさか!?」

好桜「しーっ!!」


テンションが上がる菜々子を、
好桜が慌てて止める。


里穂「なんで愛華怒ってんの……? 平井くんなんかした?」

蒼「いや、まじで心当たりない」

好桜「愛華ちゃん、怒ると怖いですからねぇ……」

菜々子「えっ、あれ怒ってんの!? てっきり告白かと!」

「そんなわけないだろ!!」

蒼は、里穂をチラッとみると愛華の後を追っていく。




夕日に照らされながら歩いていく、
愛華と蒼の背中を見ていると。


なんだか少しだけ、
落ち着かなかった。
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