アオハル×フラグ=恋。

古本屋

   *


愛華に、
里穂のことを聞かされてから。

気づけば、
もう一週間が経っていた。


転校生としての生活にも、
だいぶ慣れた。


最初は毎時間のように女子が集まってきて、
正直かなり疲れていたけど、
最近はようやく落ち着いてきた。


ひとりで行動しやすくなった。


……のだが。


今度は別の問題が出てきた。


里穂と話していると、
男子の視線が痛い。


最初は思った。


まじかこいつら。


でも。


愛華の話を聞いて、
この一週間を過ごして、
少し分かった気がする。


里穂は、
可愛すぎる。


普通、
あそこまで可愛いと、
近寄りづらかったりする。


高嶺の花。

話しかけにくい。

そういう空気になるはずなのに。


里穂は違った。


めちゃくちゃ可愛いくせに、
話しやすい。


しかも、
なんだかんだ優しい。


男子が放っておくわけない。


実際。


この一週間だけで、
里穂はもう三人に告白されていた。


……怖っ。


蒼は心の中で引いた。


しかも。


告白されたあと、
里穂は毎回ちょっと困った顔で戻ってくる。


申し訳なさそうに笑って。

でも、
どうしたらいいか分からないみたいな顔をする。


その顔を見るたび。


胸がズキッと痛む。


そして少し、
焦る。


蒼はぼんやり授業を聞きながら考える。


どうやったら、
里穂ともっと仲良くなれるか。


いや。


仲良くなるだけじゃダメだ。


どうしたら、
“好き”って気持ちを、
里穂に分かってもらえるか。


チラリと隣を見る。


里穂が、
小さく欠伸をしていた。


蒼は思わず少し笑う。


こういうとこなんだよな。


完璧美少女っていうより。


おてんば美少女。


「……なによー」


里穂が小声で言う。


どうやら見られていたことに気づいたらしい。


蒼「いや、なんでも」


笑いを堪えながら答える。


「なんかまたバカにしてない?」

蒼「してないって」

「怪しい……」


里穂はじとーっと蒼を見る。


その時。


先生「こらー! そこ! 何話してるんですかー!」


英語教師の地獄耳が発動した。


「あっ、すみません!」

蒼「すみません」


二人同時に謝る。


先生「次はないですからね!」


先生は呆れながら、
また授業を再開した。


里穂は顔を赤くしたまま、
蒼を見る。


そして。


「イーッ!」


って顔をしてきた。


その顔が。


可愛すぎた。


蒼は危うく、
そのまま口に出しそうになる。


慌てて前を向き、
なんとか耐えた。


……危な。
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