アオハル×フラグ=恋。
蒼は、
少しだけ目を見開いた。


雨音だけが、
静かに二人を包む。


「……そっか」


蒼は小さく笑う。


でも。


その笑い方は、
どこか安心したみたいだった。


蒼「まじ怖かっただろ」


「……うん」


正直に頷く。


思い出すだけで、
少し身体が震えそうになる。


でも。


「平井くん来てくれた時、ほんと安心した」


里穂は、
まっすぐ前を見つめながら言う。


「なんか……」


少し迷う。


でも。


ちゃんと伝えたかった。


「ヒーローみたいだった」


その瞬間。


蒼の思考が止まる。


「……は?」


里穂は気づいていない。


今自分が、
どれだけ破壊力あることを言ったのか。


蒼は慌てて顔を逸らす。


やばい。


無理。


好き。


蒼「そ、そんな大したことしてねぇよ……」


声が少し掠れる。


「したよ!」


里穂は即答する。


「だって、ほんとに怖かったもん……」


少しだけ、
あの時を思い出したのか。


里穂は、
持っていたカバンをぎゅっと持ち直す。


蒼はそれを見る。


そして。


蒼「……次も絶対守るよ」


自然と口から出た。


里穂の足が、
ぴたりと止まる。


雨音だけが響く。


蒼「……あっ、ごめん。キモかったわ。まじごめん!」


言いすぎたかもしれない。


そう思った瞬間。


里穂が、
ゆっくり蒼を見る。


頬が赤い。


でも。


その顔は、
少しだけ嬉しそうだった。


「……全然そんなことない」


小さく呟く。


「……嬉しい」


その返事だけで。


蒼の心臓は、
またおかしくなる。


やばい。


好きすぎる。


二人はまた、
ぎこちなく歩き出す。


でも。


さっきまでより、
ほんの少しだけ距離が近かった。


肩が触れそうで触れない。


その絶妙な距離が。


今の二人には、
ちょうどよかった。
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