アオハル×フラグ=恋。
雨は、
少しずつ弱くなっていた。


さっきまで土砂降りだった空も、
今は静かに雫を落とすだけになっている。


二人は、
ぎこちないまま歩き続ける。


でも。


その沈黙は、
嫌じゃなかった。


蒼「……あ」


突然、
蒼が前を見る。


蒼「ここ、俺曲がるわ」


気づけば、
分かれ道まで来ていた。


「えっ……」


思ったより、
あっという間だった。


もっと、
一緒に歩いていたかった。


そう思った瞬間。


里穂の胸が、
またぎゅっと鳴る。


蒼「傘、明日返してくれればいいから」


蒼はそう言って、
少し笑う。


「……うん」


でも。


このまま別れるのが、
なんだか嫌だった。


もっと話したい。


もっと知りたい。



「あ、あのっ!」


蒼が振り返る。


「ん?」


里穂は、
鞄をぎゅっと抱える。


言え。


頑張れ私。


「……LINE、とか」


蒼「……えっ」


「こ、交換しませんか……?」


緊張しすぎてまた敬語になった。



言った瞬間。


うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!


ってなった。


顔が熱い。


絶対真っ赤。


でも。


蒼は少し固まったあと。


急に顔を逸らした。


蒼「……まじ?」


声が小さい。


「えっ、や、嫌だったら全然——」

蒼「嫌なわけない!!」


食い気味だった。




里穂はびっくりする。


蒼も、
自分でびっくりしたみたいな顔をする。


蒼「……ごめん」


耳まで赤い。


蒼「むしろ……めちゃくちゃ嬉しい」


その言葉に。


里穂の胸が、
また大きく跳ねる。


二人はぎこちなく携帯を取り出す。





ピコン。


LINE交換完了。


その瞬間。


なんだか、
二人の距離がまた少し近づいた気がした。


蒼「……ありがとう」

「……うん」


嬉しい。


なんでこんなに嬉しいんだろう。


蒼「じゃあ……また明日」

「また明日!」


里穂は、
思わず笑顔になる。


蒼も少し笑った。


そして。


お互い、
何度も振り返りながら。


それぞれの帰り道へ歩き出した。


小さくなっていく蒼の背中を見ながら。


里穂は、
胸へそっと手を当てる。


ドクン。


まだ、
心臓はうるさいままだった。
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