アオハル×フラグ=恋。


「じゃあ次、体育祭実行委員決めるぞー」

担任の声が教室に響く。

途端に、教室の空気が少し変わる。

体育祭実行委員。

西ヶ丘高校では、体育祭実行委員は準備期間から当日まで忙しい代わりに、クラスで文化祭の次に思い出が増える役職として人気だった。

教室がざわつく。

里穂はちらりと蒼を見る。

蒼もこちらを見た。

そして小さく親指を立てる。

"ちゃんと立候補しろよ"

そんな意味だろう。

里穂は小さく頷いた。


先生「まずやりたい奴!一旦手を上げろ」


挙手制で立候補を募る。ここで男子1人、女子1人なら決まり。

ババババ!!!


先生が言った瞬間、クラスの男女ほとんど全員が手を上げる。

好桜「ひえええええ」

菜々子「やはり予想通り!」


「何が予想通りなのよ!」

菜々子「簡単なこと、男子は里穂狙い、女子は蒼くん狙いに決まってるじゃん!」


里穂の心臓が跳ねる。

そうか、これ全員が蒼と実行委員会やりたい人たちなのか、、、


その瞬間。
里穂の胸に不安が広がっていく。



先生「多いなぁー」

先生「よし!こういう時のために、これを用意してきたぞ!」

担任は、箱を取り出す。

先生「くじ引きと行きましょうか!」

里穂は、さらに不安に駆られる。

本当は、二人で手を挙げて、そのまま決まる予定だったのに、


蒼も困ったように頭を掻いている。

蒼「まぁ、頑張るべ」

蒼はりほの顔みて微笑む。


「そんなこと言ったって、、、倍率高すぎじゃん」



先生「じゃあ男子!」


先生は教室を回りながら一人一人引かせていく。


先生「じゃあいっせいに開けー」


里穂は蒼の方を見る。

「どう?」

恐る恐る里穂は蒼の顔を覗き込む。

蒼「やった、決まり!」

そう言って里穂の方を向いてあたりの紙を見せる。


「おお!おめでとう!」

里穂は安堵する。

しかし、すぐに肝心なことを思い出す。

そう、もし自分がなれなかったら。

蒼は他の女子と一緒にやる事になる。体育祭実行委員を。


菜々子「うわぁ……やはり持ってる男ですな」

好桜「イケメンは違います!」


「笑い事じゃないから」

クラスの男子の落ち込み具合が半端ないのは置いといて、里穂は気合を入れる。

運だけど掴んでみせる。

先生「じゃあ次女子!」

ゆっくり歩いて回ってくる先生。

気合を入れたはいいものの、里穂らいちばん最後。

くじ選ぶことはできない。

「あまりものには福がある、、、余り物には福がある。」

念仏のように唱えながら里穂は回ってきたボックスに手を入れる。



絶対、蒼と体育祭実行委員になってみせる────






< 31 / 56 >

この作品をシェア

pagetop