アオハル×フラグ=恋。
ガララララ────
病室の扉を開ける。
里穂はそっと中を覗き込んだ。
ベッドの上では蒼が静かに寝息を立てている。
頭には白い包帯。
点滴の管。
規則正しく上下する胸。
その姿を見た瞬間。
張り詰めていたものが切れた。
「蒼……」
里穂の目に涙が溜まる。
ベッドの横まで歩いていき、静かに椅子へ腰を下ろした。
「ごめんなさい……私のせいで。」
ぽとっ、
頬を伝った涙が蒼の手の甲に落ちる。
「待っててって言って欲しかった。」
里穂は俯く。
「朝早くなるけど一緒に行こうって。」
「そう言って欲しかっただけだったの。」
震える声。
ずっと胸の奥に溜め込んでいた気持ちだった。
「それなのに私……」
「LINEも無視して。」
「素っ気ない態度とって。」
里穂はそっと蒼の手を握る。
少しだけ冷たい。
「勝手に自分から離れて。」
「詩音さんとのキスを見て。」
「それでまた勝手に怒って……」
握る手に力が入る。
情けなかった。
「ほんとにごめんなさい。」
里穂は涙を拭う。
そして小さく笑った。
「詩音さんとお幸せにしてね。」
そう言って立ち上がる。
蒼の手から自分の手を離そうとした。
その時だった。
────ギュッ
「えっ?」
蒼の手に力がこもる。
里穂は息を呑んだ。
蒼「だから。」
低い声。
蒼「キスしてないって。」
「……!」
慌てて顔を上げる。
蒼が目を開けていた。
少しだけ不機嫌そうな顔で。
じっと里穂を見ている。
「あっ、蒼!」
「良かった!」
「目が覚めたんだ!」
「今先生呼んでくる!」
里穂は慌てて駆け出そうとする。
しかし。
蒼が手を離さない。
蒼「そんなこといいから。」
低い声。
真剣な目。
蒼「ちゃんと俺の話聞け。」
「で、でも……」
蒼「でもじゃない。」
即答だった。
蒼はベッドの横の椅子を顎で指す。
蒼「そこ座れ。」
里穂は反論できずに座り直す。
蒼は大きくため息を吐いた。
蒼「いいか?」
蒼「俺は本当に詩音とキスなんてしてない。」
「嘘はいいって言ってるじゃん!」
里穂も思わず声が大きくなる。
「私見たんだよ!?」
「抱き合ってキスしてるところ!」
蒼「あー……」
蒼は天井を見上げる。
蒼「やっぱりあの瞬間か。」
頭を抱えたくなったような顔。
蒼「詩音が滑って転けたんだよ。」
蒼「それを支えただけ。」
蒼「だいたい。」
蒼は里穂を見る。
蒼「唇が触れてるの見たわけじゃないだろ。」
里穂は言葉に詰まる。
思い返す。
確かに顔は近かった。
抱き合っていた。
でも。
唇が触れた瞬間までは見ていない。
「じゃあ……」
里穂は恐る恐る聞く。
「ほんとにキスしてない?」
蒼「何回言わせるんだよ。」
蒼は呆れたように言う。
蒼「してないって。」
里穂は蒼の顔を見る。
嘘をついているようには見えなかった。
「じゃあ……」
「詩音さんとも付き合ってない?」
蒼「はぁ?」
蒼は目を丸くする。
蒼「なんでそうなるんだよ。」
そして即答した。
蒼「ないない。」
病室の扉を開ける。
里穂はそっと中を覗き込んだ。
ベッドの上では蒼が静かに寝息を立てている。
頭には白い包帯。
点滴の管。
規則正しく上下する胸。
その姿を見た瞬間。
張り詰めていたものが切れた。
「蒼……」
里穂の目に涙が溜まる。
ベッドの横まで歩いていき、静かに椅子へ腰を下ろした。
「ごめんなさい……私のせいで。」
ぽとっ、
頬を伝った涙が蒼の手の甲に落ちる。
「待っててって言って欲しかった。」
里穂は俯く。
「朝早くなるけど一緒に行こうって。」
「そう言って欲しかっただけだったの。」
震える声。
ずっと胸の奥に溜め込んでいた気持ちだった。
「それなのに私……」
「LINEも無視して。」
「素っ気ない態度とって。」
里穂はそっと蒼の手を握る。
少しだけ冷たい。
「勝手に自分から離れて。」
「詩音さんとのキスを見て。」
「それでまた勝手に怒って……」
握る手に力が入る。
情けなかった。
「ほんとにごめんなさい。」
里穂は涙を拭う。
そして小さく笑った。
「詩音さんとお幸せにしてね。」
そう言って立ち上がる。
蒼の手から自分の手を離そうとした。
その時だった。
────ギュッ
「えっ?」
蒼の手に力がこもる。
里穂は息を呑んだ。
蒼「だから。」
低い声。
蒼「キスしてないって。」
「……!」
慌てて顔を上げる。
蒼が目を開けていた。
少しだけ不機嫌そうな顔で。
じっと里穂を見ている。
「あっ、蒼!」
「良かった!」
「目が覚めたんだ!」
「今先生呼んでくる!」
里穂は慌てて駆け出そうとする。
しかし。
蒼が手を離さない。
蒼「そんなこといいから。」
低い声。
真剣な目。
蒼「ちゃんと俺の話聞け。」
「で、でも……」
蒼「でもじゃない。」
即答だった。
蒼はベッドの横の椅子を顎で指す。
蒼「そこ座れ。」
里穂は反論できずに座り直す。
蒼は大きくため息を吐いた。
蒼「いいか?」
蒼「俺は本当に詩音とキスなんてしてない。」
「嘘はいいって言ってるじゃん!」
里穂も思わず声が大きくなる。
「私見たんだよ!?」
「抱き合ってキスしてるところ!」
蒼「あー……」
蒼は天井を見上げる。
蒼「やっぱりあの瞬間か。」
頭を抱えたくなったような顔。
蒼「詩音が滑って転けたんだよ。」
蒼「それを支えただけ。」
蒼「だいたい。」
蒼は里穂を見る。
蒼「唇が触れてるの見たわけじゃないだろ。」
里穂は言葉に詰まる。
思い返す。
確かに顔は近かった。
抱き合っていた。
でも。
唇が触れた瞬間までは見ていない。
「じゃあ……」
里穂は恐る恐る聞く。
「ほんとにキスしてない?」
蒼「何回言わせるんだよ。」
蒼は呆れたように言う。
蒼「してないって。」
里穂は蒼の顔を見る。
嘘をついているようには見えなかった。
「じゃあ……」
「詩音さんとも付き合ってない?」
蒼「はぁ?」
蒼は目を丸くする。
蒼「なんでそうなるんだよ。」
そして即答した。
蒼「ないない。」