アオハル×フラグ=恋。
次は────〇〇駅────
菜々子が降りる駅のアナウンスが流れる。
「あっ、この駅で降ります」
???「おっ、了解。大丈夫?」
男はそう言うと、菜々子から少し距離を取った。
菜々子は振り返り、改めて男の顔を見る。
年齢は同じくらい。
学生服を着ている。
ロン毛を後ろで結んでいて。
整った顔立ち。
そして何より。
「でっか……」
思わず声に出た。
???「ぷっ……」
男は吹き出した。
???「最初にかける言葉それ!?」
「あっ!!」
菜々子は慌てる。
「ご、ごめんなさい!」
「いや、その!」
「助けてくれてありがとうございました!」
ぺこぺこと何度も頭を下げる。
???「いやいや」
男は苦笑いしながら手を振る。
???「そこまでしなくていいって」
そして。
少しだけ笑って言った。
???「俺、小鳥遊 颯斗。」
???「よろしく」
「えっ」
いきなりの自己紹介。
菜々子も反射的に答える。
「わ、私は江角 菜々子で……す」
────プシュー
ちょうどその時。
最寄り駅に到着したアナウンスと共に電車のドアが開いた。
「あっ」
菜々子は慌てて降りる。
すると。
颯斗「じゃあね、菜々子ちゃん」
降り際。
颯斗がそう呼びかけた。
「なっ!?」
菜々子は振り返る。
「菜々子ちゃん!?」
「いきなり下の名前呼び!?」
ツッコミ終わるのとほぼ同時に。
────プシュー
電車のドアが閉まる。
向こう側では。
颯斗がニコニコしながら手を振っていた。
「……」
菜々子はしばらく固まる。
そして。
「えっ、こわっ」
助けられた恩も忘れて。
思わずそう呟いた。
走り去る電車。
最後まで颯斗は楽しそうに笑っていた。