アオハル×フラグ=恋。
   *


ホームルームが終わった瞬間。

教室の空気が一気に騒がしくなった。


「ねぇねぇ東京ってどんな感じ!?」

「彼女いた!?」

「好きな芸能人は!?」


蒼の周りには、あっという間に人だかりができていた。

主に女子。


里穂はその様子を横目で見ながら、
机に突っ伏す。


「……うわぁ」


愛華「人気者じゃん」

菜々子「りほの隣、完全に当たり席で草倍率高そう」

好桜「すごいです」


女子たちに囲まれながらも、
蒼は困ったように笑っていた。

でも嫌そうではない。

むしろ、
こういうのに慣れてる感じがした。


菜々子「はいはい注目ー」

菜々子が急にパンッと手を叩く。

なにその司会進行。


菜々子「我らが西尾里穂さん、本日より転校生係に任命されましたー!」

愛華「いぇーい」

好桜「ぱちぱちー」

「お前らほんと静かにして?」


里穂が低い声で言うと、
三人は楽しそうに笑った。


その時。

「ほら、早く並べ!始業式あるから体育館だからなー」

先生の無駄にでかい声が教室に響く。

その声でやっと蒼は女子の輪から開放される。

「……ふぅ」

小さく息を吐く。

「おつかれ」

りほが言う。

「あっ、うん、ありがとう」
少しだけ困ったように笑う。

その顔を見て、
また後ろから女子の小声が聞こえた。


「やば、笑った」

「え、かっこよ……」


里穂はなんとなく、
机に頬杖をついた。


やっぱ目立つタイプなんだなぁ。

なんか、
漫画の転校生みたい。


すると。


菜々子「りほりほ」


小声で呼ばれる。

振り向くと、
菜々子がニヤニヤしていた。


「……なに」

菜々子「隣同士で会話してるー」

「普通だろ」



その瞬間。

蒼がこっちを見る。

「ん?」


目が合った。


「いやなんでもない!!」


里穂は勢いよく前を向く。

後ろでは、
菜々子たちの笑いを堪える声。


うっざ。


すると。

先生「おーい西尾ー」


教壇から声が飛ぶ。


「はい?」

先生「次の休み時間、平井に校内案内頼むなー」

「えぇー……」


教室から笑いが起きる。


菜々子「イベント発生しました」

愛華「完全にメインヒロイン」

好桜「フラグですねぇ」

「だからそのフラグってなんなのぉ!!」


里穂の叫びが、
騒がしい教室に響いた。
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