アオハル×フラグ=恋。
「な、なにそれ」
里穂は慌てて目を逸らす。
蒼「いや、さっきからずっと言ってたから」
蒼は小さく笑う。
なんだろう。
静かなタイプかと思ったのに、
始業式のときといいたまに距離が近い。
調子が狂うなぁ。
里穂は咳払いして、
空気を変えるように教室を見回した。
「……ていうか、ここ使ってない教室なんだ」
蒼「逃げ込む場所にしては慣れてる感じだったけど」
「まぁ、たまにサボ……休憩しに来るから」
「今サボるって言いかけた?」
「言ってないですー」
里穂は窓際へ歩いていく。
カーテンを少しだけ開くと、
春の日差しが教室へ差し込んだ。
使われていない机。
少し埃っぽい空気。
静かな教室。
なんだか、
時間が止まってるみたいだった。
蒼「こういう場所、結構好きかも」
「え?」
「静かだし」
蒼は窓の外を見る。
「東京いた時、人数の割には学校狭くてさ、こういう静かな場所あんま無かったから」
「へぇ……」
里穂は少しだけ、
蒼を見る。
転校生。
東京から来た男子。
かっこよくて、
でも変に騒がしい感じじゃなくて。
不思議なやつ。
蒼「……西尾ってさ」
「ん?」
「なんかめちゃくちゃ人気じゃね?」
「……は?」
思わず変な声が出た。
蒼「いや、朝からめっちゃ見られてんじゃん」
「いやいやいや!」
里穂はぶんぶん首を振る。
「そんなことないって!」
「あるだろ」
「ない!」
「ある」
蒼は言い切る
蒼「あと、多分ファンクラブある、知ってた??」
「ないないないない!!」
里穂は顔を真っ赤にする。
「誰情報それ!」
「教室入った時、男子が言ってたぞ、俺耳いいんだわ」
「ほんとやめてほしいんだけど……!」
恥ずかしすぎる。
里穂は両手で顔を覆った。
蒼「まぁ、確かにすっげぇ可愛いけど、、、」
「え?」
蒼「いや、なんでもないよ」
「はぁー?いま、絶対悪口言ったでしょ」
蒼「いや、言ってないって!」
そんなやり取りをしていると
ガタッ。
突然、
廊下から音がした。
「っ!」
里穂と蒼、
両方が扉を見る。
次の瞬間。
ガラッ!!!
勢いよく扉が開いた。
菜々子「いたぁーーーーー!!!!」
愛華「逃げるから怪しいと思ったんだよ」
好桜「やっぱりここでした」
「うわっ!!」
最悪だ。
菜々子は教室へ入るなり、
ニヤニヤしながら二人を見る。
菜々子「へぇ〜?」
愛華「誰もいない教室で?」
好桜「転校生と二人きりですかぁ」
「ちがっ!!」
里穂は慌てて否定する。
菜々子「で?」
「で、じゃない!」
愛華「フラグ立ってますなぁ」
「だからそのフラグってなんなのぉ!!」
里穂の叫び声が、
静かな空き教室に響いた。