アオハル×フラグ=恋。

旧校舎のお知らせ

   *


「ふぅー……これで大体見て回ったかな」


里穂は小さく伸びをしながら、
大きく息を吐いた。


空き教室で菜々子たちに見つかったあと。

三人は、
「購買!」
「先生呼ばれたー」
「委員会ですぅ」
とかなんとか言いながら、
わりとすぐ散っていった。


残されたのは、
里穂と蒼の二人。


……なんか逆に気まずい。


葵「西尾」

「ん?」


航大は窓の外を見ていた。

その視線の先には、
学校の端に建っている古い建物。


少し色褪せた、
古い校舎。


航大「あっちの建物ってなに」


「あー、あれ旧校舎」


里穂も窓の外を見る。


「一応まだ完全には使わなくなったわけじゃないみたいでさ。備品とかちょこちょこ残ってるらしいよ」

蒼「へぇー……」


航大は興味深そうに眺める。


そして。


蒼「旧校舎も案内してよ」


「はぁ!?」


里穂は思わず変な声を出した。


「嫌ですー。あんな不気味なとこ」

蒼「え、西尾って怖いの苦手なタイプ?」

「ちがっ」


蒼は少し挑発するみたいに笑う。


その顔がなんか悔しい。


「不気味なのが嫌なだけで! 怖いのは別に平気だし!」


強がって言う。


もちろん嘘だった。

里穂はホラー映画も、
お化け屋敷も、
怪談話も全部ダメなタイプだ。


蒼「ふーん?」


絶対信じてない顔。


蒼「じゃあ案内してよ」

「……の、望むところよ!」


勢いで言ってしまった。


言った瞬間、
ちょっと後悔した。


でも蒼は、
どこか楽しそうに笑っていた。
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