演技派女優に本気で恋をしてしまった社長の誤算
「もちろん、明人君が恋人役ならどんなドラマも受けますよ」

俺はムッとした。

こいつと恋人同士の役?

それって、どんなドラマだよ。

でも何も言えなかった。

彼女の仕事に口を挟むような関係ではないし。

しかも相手役が遠藤明人って、適任じゃないか。

このドラマ、はっきり言って観たい。

「じゃあ、また顔合わせの時に」

「ええ、宜しくお願いします。明人君」

彼女にそう言われて、遠藤明人は笑顔で去って行った。

彼女が席に座ると、俺も席に座った。

「恋人の役ですか?」

彼女は俺の方を見た。

「ああ、まあ……」

「楽しみですね。二人のラブストーリー」

「……そう思いますか?」

彼女は少しだけ笑みを浮かべた。

無理して笑ってるのが丸見え。

「随分仲良さげでしたね」

「……何度か共演しているんです。自然に仲良くなりますよ」

俺はウィスキーを、ゴクンと飲んだ。
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