演技派女優に本気で恋をしてしまった社長の誤算
挨拶が終わって伊藤萌奈が社長室から去った。

俺は大きなため息をついた。

「やはりお綺麗な方でしたね」

秘書の横田さんがお茶を片付ける。

「まあ、それでお金貰ってるんだからね」

「厳しいですね、案外」

「どうせ美容代もバカ高いんだろ」

俺は時計を見た。

「横田さん、俺お昼外に行ってくるよ」

「かしこまりました」

俺はそう言うと立ち上がって、社長室を出た。

2階から続くエスカレーターを降りると、1階のカフェに目を向けた。

「ん?」

そこにはさっき見た顔があった。

「伊藤萌奈?」

彼女はコーヒーを飲んでいた。

へえ、こういうところの珈琲飲むんだと思った。

そう思ったら、自然と足が向いていた。

「ブラック」

「はい、かしこまりました」

直ぐに出て来たコーヒーを持って、彼女に近づいた。

彼女は直ぐに、俺に気づいた。
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