余所者-よそもの-
「何か用か?」
「それはこっちのセリフだ」
見ればそこには、小柄な男がいた。
「なんでお前がここに居る!!ここは八賀のジジイのシマだぞ!!!」
小さな背丈、ツイストをかけた派手な髪。
黒いピアスを通した口元は赤い痣。
怪我をしているようだ。
「俺がどこをほっつき歩こうが関係ねぇだろうが」
「何をしに来た」
「別に、何も。安心しろよ。クソガキのケツ追っかけ回すほどこっちは暇じゃねぇ」
「んだと?」
「粋がんなクソガキ。お前なんかいつでも消せんだよ」
その男はグツグツと怒りを煮込むみたいに全身を振るわせた。
地団駄を踏むように踵を返すと、すぐ後ろのドアに駆け込むようにして消える。
え?
ちょっと待って。
そこ、AnBarなんだけど。
呆然とする私の後ろでは、別れも言わないまま車は走り去り。
私は男の痕跡を辿るように、AnBarに帰ったのだった。