余所者-よそもの-
「何の用だッてめぇ!!!」
どん、と肩を掴まれ壁に押し付けられる。
「紫藤の女が!ここに何しに来たッ!!」
ものすごい形相で唾を吐きかけてくる男。
すでにピースは繋がっていた。
この男はきっと――…
「やめろ、バン!」
バン。
ここの、AnBarの従業員。
潤が私とバンの間に割り込んで、べりっと引きはがす。
「なんだよ潤!バカか!バカなのか!?その女さっさと捕まえろ!人質にするんだ!」
「ハイハイ。わかったから一回黙れって、お前」
「なに悠長なこと言ってんだ!紫藤が来てるんだってば!そ、こ、に!すぐ前に!」
「あーもうっ!!わかったっつってんの!!!」
止まらないバンに苛立ち、大きな声を出した潤。
いよいよバンが静かになった。
「……紫藤はもう居ねぇよ。帰ったはずだ」
「なんでそんなことわかるんだよ」
「用事が済んだからだ」
「用事だと?」
やっと会話になったことに肩の力が抜けたのか、潤は「はぁ」と溜息をついてから電子タバコをセットする。