余所者-よそもの-
「サンコンさん!」
そう思うと私は飛び出した。
サンコンの腕にしがみついて、振り上げる腕を止めようとした。
「放さんかッ……!」
どん、とお尻から落ちる身体。
いとも簡単に跳ねのけられてしまう。
私はすぐ傍に落ちていたアルミの灰皿を二枚手にとって、シンバルみたいに音を鳴らした。
あの紳士なサンコンはどこに行っちゃったんだ。
正気に戻ってほしい。
「サンコンさん!ストップ、ストップ!」
けれども手は一向に止まらないし、この騒音に気を留めることもない。
他に何かないか、他に何かないか。
そう足踏みしていると、足元にぺしゃり、と赤い血が飛んでくる。
「だ……だめです」
一気に血の引いた思いをする。
だめだ。
本当に止めなきゃ、死んじゃう。
「ああああああああああああ」
頭が真っ白になった私は、傍にあった重くて大きなものをサンコン目がけて投げた。
なかなかの重みがあったということは、手が離れてから知った。
ガシャン、と音が鳴り、ゴトゴトと転がった、ソレ。
小型のスロットマシーン。
「……ぉんどレ…なん、しよった」
痛かったと思う。
なんと私はこの鉄の塊でサンコンの頭を殴った。
頭を割ってしまったんじゃないかと心配になったけれど。
なぁんだ、大丈夫そう。
「ゴロズぞ、オダァァァァア……!」
だってほら、目からレーザービームも出せてますし。