余所者-よそもの-
その後。
ユキと潤はひとしきり酒を飲むと帰宅。
サンコンさんと残り、店の片づけをして、サンコンだって帰宅。
私は一人AnBarの戸締りをした。
フロアの端っこに置きっぱなしになっていたショップバックたちを集める傍ら。
一層存在感を醸す小さな白い紙袋。
私は手に取って、ソファに腰掛けた。
改めて中を開けると、真新しいスマホが出てくる。
ずっしりと手に重いそれは、久しぶりの感触。
電源ボタンを押してみると、ブ、と振動して画面が明るくなった。
真っ新な、スマホ。
当たり前だ。
引き継ぐデータは一切ないのだから、何も入ってなくて当たり前。
写真も、アプリも。
もちろん、連絡先だって――…
「え?」
画面にくぎ付け。
だって連絡先に一つだけ登録がある。
それはあの人の名前。
――紫藤 怜
私はシドと繋がっている。
いつでも、連絡ができてしまう。
少しAnBarのみんなへの後ろめたさを感じて、逃げるように設定画面を開いた。
アドレスとアカウントを作らないとな。
そうして何気なく目にした、このスマホの電話番号。
並んだ、11ケタ。
自分でも、よく気がついたなと思う。
わかんない。
これはただの偶然で、たまたまかもしれない。
でも。
私の電話番号の下4桁は、一昨日の。
シドに拾われた、あの日の日付けが並んでいた。