余所者-よそもの-
冷たい風を浴びながら、「よいしょ、」と重たい二つ折りの看板を開いて立てた。
「あ、看板出てるー」
くるくると丸められた厚みのある赤いカーペットを入口に敷いていると、頭上から女性の声。
「もう入れるの?」
「はい。だけど少しだけお待ちいただけますか?」
あと数分だけ早い。
サンコンにお客さんを入れることを伝えてこなくちゃ。
「あとさ、ユキ居る?」
見た感じ、水商売のおねぇさん。
ユキに何か用事があるのかな。
「ユキさんなら居ますけど……」
「うっそ、マジ!?やったぁ!」
とても嬉しそうにガッツポーズをするおねぇさんに首を傾げてから中に入る。
「サンコンさん。お客さん来てるんですけど、もう通していいですか?」
「少し早いですが構いませんよ」
「なんか、ユキさんの知り合いっぽいです」
私がそう言うと、ユキとサンコンがピクリ、と反応した。