余所者-よそもの-
2人はソファに隣り合って座り、楽し気にお話をしている。
私はオーダーをとってサンコンに伝え、テーブルに提供すると、もう一度サンコンの隣に戻った。
「あの…」
「なんです?」
「あの人ってユキさんの何なんですか?」
親しそうな感じの2人。
距離も近いし、何より変なのはユキが笑って接している。
だから答えを聞くまで少しドキドキした。
我ながら可愛い好奇心だと思う。
「お客さんですよ」
「……お客さん?」
「ええ。今はもう完全に退いていますが、店が軌道に乗るまではユキも店に入ってましたので」
「そうなんですか?」
「現場は引退してると知らせてあるんですけどね。未だにこうして会いに来てしまう方もいます」
なるほど、納得。
しかしまぁ、あのユキが接客なんて出来るんだ。
そりゃあ、あの美貌に愛想の良さが加わったら最強だと思う。
女の人が離れられなくなっちゃうのもわかる気がする。
「……ホストみたい」
「ここはホストクラブではありませんが、実際ユキがいた頃のお客さんは女性ばかりでしたね。貢物をする女性も多かったですし」
2階に置き去りにされているあの大量のブランドものは、もしかしたら過去の貢物なのかも。
それにしても罪な男だなぁ、と。
ユキの貴重な接客を眺め見た。