余所者-よそもの-

それに反応をしたのは彼だった。
逆毛を立てるように目尻をつり上げ、シドに威嚇をした。


「お前か……俺のオンナに手ぇ出しやがったのはっ!」

「なるほどな?久しぶりだな。俺に全力で喧嘩売ってくるヤツは」


シドは鼻で笑って、掴んでいた彼の手を投げるように手放し。
準備運動をするように肩を回す。

彼は受けて立つと言わんばかりに立ち上がり、ワナワナと全身を震わせ、拳を固くした。


「ブッコロス!」

「余所者にいいこと教えてやるよ」


私はその場に起き上がり、対峙した二人を見たときにはもう。


「――俺に喧嘩売るな」


シドはあっという間に彼を殴り伏せていた。



「シド、やめて!」

ガッ、ガッ、と反響する殴打音。

シドの圧倒的な力に、彼は成す術なくサンドバッグ状態。


彼が死んでしまう。


手を伸ばした、その瞬間。
前から歩いてきた人影が、脇へ手を差し込んできた。

半ば抱き込むようにして、私の足を止めてくる。


「放して!」


押してもビクともしない丈夫な身体。


「だまれ」

私を止めたのは、多夜。


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