余所者-よそもの-


日が昇る前の、薄暗い空の色。
風は涼やかで、ひりひりとちょっと痛い。


彼は、私よりももっと大けがをしていた。
私と離れた後も殴られたかもしれない。

きっとものすごく痛かったと思う。
今も痛くて一人で泣いてるかもしれない。

そうやって救急箱の中身を持って彼を探す私は、何がしたいんだろう。

自分でも馬鹿だなって思う。
会ってどうする。

だけど今日みたいな日は、一人ぼっちでいたくないだろうから。

この広い街。
どうせ探せっこない。

会えなければ、会えないほうがいい。


私は最後、彼らと離れた場所までやってきた。

恵西から少しいった先。
シドはあちらの路地に彼を連れて行ったはず。


彼の痕跡を辿り始めた。

多夜に抱えられてからは、どこに向かったのかは見えなかった。

それでも分岐点に迷わなかったのは、彼が残した血痕が目印になったからだ。

引きずられていった彼。
アスファルトの上には、薄く伸ばされた血痕がいくつか残っている。


血の跡を辿りながら、どんどんシトウの大通りから外れ。
路地裏から、路地裏へ、さらに路地裏へと進んだ。

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