余所者-よそもの-
「あはは!みーつけた!」
そう言って机の上から退いたことを確認すると、
「――ッ!」
私は勢いよく立ち上がり、下から机を力いっぱいひっくり返した。
「ックソ!!」
大きな音を立てて倒れた重たい机。
脚を巻き込んだ男が痛みに気をとられている隙。
私は出口であるシャッターに向かって走った。
「……え、なんで!」
なんで?
どうして?
男が易々と開閉したシャッターは、ビクともしない。
「よかったぁ。鍵かけといて」
男は蹲った恰好のまま、こちらに金属の鍵を見せつけてくる。
そんな。
どうしよう。
辺りを見渡せば、すぐ右手に階段があった。
「無駄だっつーの。ィテテ…」
私は鉄でできた階段を駆け上がった。
踏み場の狭い階段に何度か躓きながら上がると、伸びる廊下にドアが二つあった。
タン、タン、と下から階段をあがる音が聞こえてくれば、迷うヒマもなく一番奥の扉を選んで飛び込む。