余所者-よそもの-

たちまち物騒な音や声が響きだした。
重たい物をぶつける音、罵声、笑い声。


私は錯乱する中、部屋にあったデスクを扉の前に移動させた。
扉を破る気でいるなら、扉を守るものがほしい。

頼りない事務デスク。
アルミ素材のさして重さのないこれじゃ、何の気休めにもならない。


――ドン!
その証拠に、外からの衝撃にカラカラと軽い音を立てた引き出しが飛び出してしまう。


途端、目に飛び込んできたもの。
まるで時間が止まったようだった。

思わず瞬きを繰り返す。


――ドン、ドン、

「クソ固ぇ」
「鍵はよ」
「あの人が持ってってんじゃねーのか?しらねーよ」
「いいのか?壊して」
「いいだろ。もう死んでるって噂だぜ」

ガラリと開いたままになる引き出し。
簡易デスクの薄い引き出しの中に、忘れられたように存在する、それ。

私は飛びついた。


それは、スマホだった。
一昔前を思わせる厚みのあるスマホ。

電源ボタンはだいたい同じ。

サイドボタンを長押しにした。

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