余所者-よそもの-
「……だよね」
つくわけ、ないよね。
脱力してから、他に何かあるかもしれないと思って、引き出しを上から順番に全開にしていく。
すると一番下の大きな引き出しから、色あせたねずみ色の巾着が出てきた。
「お願い、お願い……」
そこには充電コードが丸めて入っていた。
すぐさま袋を逆さにして取り出すと、充電器と一緒に小さな石のついたネックレスがコロンと転がった。
私はもう泣き出しそうになりながら、部屋のコンセントに充電器を差し込み、スマホに繋げる。
「お願い、お願いお願いお願いお願い……」
祈るような気持ちで電源を押す。
するとパ、と白光したスマホに、なんとも言えない安堵感が全身に広がった。
――ドン、ドン
――ドン!
でも。
誰にかければいいんだっけ。
シド?
ユキさん?
潤さん?
サンコンさん?
誰一人として番号なんて覚えてない。
……私が覚えてるのはただ一つ。
自分の、電話番号。
シドに与えられたスマホ。
シドと出会った日付を下四桁に、あとは単純な番号の羅列。
私はゆっくりと番号を入力して、最後の発信ボタンは祈るような気持ちでタップした。