余所者-よそもの-

押さえつけるシドに力ずくで起き上がったサンコン。
シドはすぐさまその顔面に膝を打ち付けて、再びねじ伏せた。

ドサ、口を開けたまま倒れたサンコンの目にグリグリと靴の先を埋める。


「やめてくれ!」

潤の上ずった声が反響する。


「馬鹿なんだ、頼むから相手にしないでくれ」

「どうでもいいんだよ、こんなゴミクズは。俺の質問に答えろ」

「悪意はない!あり得ないけど、これは何かの手違いだ……」

「話にならねぇな」


シドはそう言うと最後、力いっぱいサンコンの頭を踏みつけてから、大きな歩幅でこちらへ前進してきた。

「……なに、」

私の前で立ち止まったシドの手が、迫ってくる。
恐ろしくて声にならない悲鳴が漏れる。

シドは怯える私に構うことなく、いつかみたいに私を肩へと担いで、階段を下りた。


「……ッ、…」

身体が震えて、声が出ない。

シドは怒ってる。
サンコンや潤が心配なのに、私は動けない。
動きたくない。


< 181 / 276 >

この作品をシェア

pagetop