余所者-よそもの-
潤と二人、シトウの深くを歩いた。
夜の喧噪を掻きわけるようにして進めば、ひと際ネオンの明かりの眩しい派手な通りに出てくる。
「なんか……夜の街って感じですね」
「そういう通りだからな。スナック、ピンサロ、キャバからホスト、飲み屋もバーも賭博までなんでもあるぞ」
「賭博?」
「今度給料が出たら一緒に行ってみる?楽しいよ。ほとんどが違法賭博だけど」
「結構です」
そうこう話していると、潤が大きな建物の前で足を止めた。
見上げれば、真っ黒でキラキラした外観に、ゴールドの大きな柱が目立つ。
「……魔王城みたい」
呆気に取られる私の感想は潤には聞こえていなかった。
とっくに入口の扉を開け放ち、私の入店を待っている。
「お嬢さん。こちらへどうぞ」
開け放たれたドアの先。
薄暗い照明。
黒い絨毯と小さな足元の黄色いランプを道しるべにして辿る。
恐る恐る足を踏み入れれば、店内は随分と騒がしい。
調子のいいときのAnBarよりも遥かに賑わっている。
広さもきっとAnBarの五倍は裕にありそうだ。